「〔証言録〕海軍反省会」を読む

「〔証言録〕海軍反省会」を読む 小 林 保 夫(弁護士) こんなことで戦争が始められてしまったのか、これでは、死者は死んでも死にきれないだろうーこれが私の率直な感想である。1 NHKの放映とその衝撃 NHKは、2009年(平成21年)の8月9日、…

ナオミ・クライン著「ショック・ドクトリンー惨事便乗型資本主義の正体を暴くー」(原題「THE SHOCK DOCTRINE THE RISE OF DISASTER CAPITALISM」)(上・下)を読む

ナオミ・クライン著「ショック・ドクトリンー惨事便乗型資本主義の正体を暴くー」(原題「THE SHOCK DOCTRINE THE RISE OF DISASTER CAPITALISM」)(上・下)を読む 小 林 保 夫(弁護士)1 本書は、発売後すぐ、絶賛する反響が世界的に広がり、ベストセラ…

ジョン・ニコルス著「市民蜂起 ウオール街占拠前夜のウイスコンシン2011」(株式会社かもがわ出版 1800円)の大阪・日本の労働者・市民への呼びかけにどう答えるか

ジョン・ニコルス著「市民蜂起 ウオール街占拠前夜のウイスコンシン2011」(株式会社かもがわ出版 1800円)の大阪・日本の労働者・市民への呼びかけにどう答えるか 弁護士 小 林 保 夫 私の親しい友人である梅田章二さん・喜多幡佳秀さん監訳、おお…

フェルメール「真珠の首飾りの少女」を観る

フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を観る 9月3日午後、事務所のみなさん多忙のなか、若干、良心の呵責を感じたのですが、フェルメール(神戸市立博物館 マウリッツハイス美術館展)を観てきました。 私は、おそらく生来、美術、音楽などの分野について…

最近の読書(心覚えとして)

「ひさし伝」(笹沢信 新潮社) 「ヒトラー 権力掌握の20ヵ月」(グイド・クノップ 中央公論新社) いずれも読了、いつか感想を書きたい。

橋下氏らの「維新八策」について

橋下・維新の会の政策(「維新八策」)を俯瞰する −そこに見られる姿勢・志向とその見方について(メモ)− 弁護士 小 林 保 夫はじめに 橋下氏と維新の会の提起する問題については、多くの人が議論に参加することが、好ましいというだけでなく必要であるとい…

「終戦 なぜ早く決められなかったのか」

NHK TV 8/15 「終戦 なぜ早く決められなかったのか」 アジア・太平洋戦争末期、天皇、政府、陸軍、海軍指導層は、迫り来る崩壊を前に、ついに戦争の終結を決断することができなかった。 海軍は、開戦の当初からみずからに戦争を遂行する能力がなこ…

消費税増税問題をめぐる朝日新聞の社説と記事の相反についての弁解(2012/8/6朝刊)

消費税増税問題をめぐる朝日新聞のありかたについて、多くの読者から、社説と記事の間の矛盾を問う声が寄せられたという。標題の特集は、これに対する弁解である。 圧倒的に多数の国民(世論調査では8割ともいう)が消費税増税に反対ないし消極的な態度を示…

教育破壊を招く大阪市の校長公募制について

私は、この愚挙について、どうしても俎上に載せなければいけないと思っていたが、碁にかまけ、日を過ごしてしまった。しかし、私の怒りをぶちまけ、また、わずかでもこのブログを読んでくれるかもしれない仲間のためにも文字にしなければならないと思い立っ…

大阪AALA50周年記念に際して など

大阪AALA50周年を祝い、さらなる発展を祈念して 弁護士 小 林 保 夫1 日本AALAが1955年(昭和30年)に設立されてから67年、大阪AALAの発足から、5 0年という。 この間、世界は、多くの歴史的な曲折を経たが、アジア・アフリカ・ラ…

あれこれ

猛暑!たくさん仕事を持ち帰ったがまったく手がつかない。 今日の新聞(朝日新聞・赤旗)は、読みでのある記事が多かった。 中国江蘇省南通市啓東で、王子製紙の工場からの排水管建設計画に、環境汚染を引きおこすとして反対する市民約1万人の抗議行動が、…

猛暑 京都で41℃を記録!

猛暑が続く。 最近は、朝早く、ゴーヤ、きうり、庭木への水やりを日課にする。 関西電力は、大飯原発を稼働させないとこの夏を乗り切れないという趣旨の談話を発表していたと記憶する。しかし、実際は原発の再稼働にねらいがあることが指摘されていたが、今…

吉岡斉「脱原子力国家への道」を読む

まだ50頁ほどしか進まない(パソコンの囲碁対局のせいである。何時囲碁依存症から抜け出すことができるであろうか)。 しかし、プロローグと目次から、日米原子力同盟(原発・原爆を含む)の存在、日本とアメリカの原発をめぐる相互依存関係、そのため日本…

福島第一原発復旧工事の作業員の携行する線量計に鉛カバー

7月21日付の朝日新聞朝刊は、一面トップ記事として、福島第一原発の復旧工事現場で働く下請の作業員が会社役員から線量計に鉛カバーをつけるよう求められ、拒否すると就労を拒まれたという記事を載せた。会社役員と作業員のやりとりは、録音されていた。…

橋下・維新の会の性格・路線・構想について

20日6時30分から、「危機を考え、希望を語る」大阪講座3回目が開かれた。講師は立命館大学森裕之さん、「橋下維新の会の政治と統治機構改革」というテーマであった。 橋下・維新の会がさきざき凋落することは必至であるという結論であった。もっとも「…

どうしても書いておくべきこと 昂揚の予感

7月16日、大江健三郎さんら9人の呼びかけによる「さよなら原発10万人集会」は、東京で17万人(警察発表でさえ7万5000人という)、その他全国各地でこれに呼応する集会が行われ、その規模は安保以降かつてないものであった。 この集会に先立ち、…

大津市中学生いじめ自殺をめぐって

私は、かつて、長年にわたって日高教、全教の顧問弁護士であったことがあり、今も大教祖の弁護団のひとりです。そんなこともあって、教育問題一般、いじめ問題には強い関心があります。 そんな関わりも手伝って、大津市の中学生の自殺問題については、まずは…

大栗博司「重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る」

今、標題の著作を読んでいます。私の物理学の知識と想像力ではなかなかの難物です。ニュートンの絶対空間と絶対時間から、アインシュタインの相対論への飛躍は容易ではありません。 しかも、読む時間がありません。電車の中や裁判の待ち時間が読書に充てる時…

橋本市長のショック・ドクトリンについて

橋本市長は、 ① 個々の職員・教員については、君が代の起立斉唱の強制、職員条例・教育条例における懲戒処分 によるどう喝、思想調査の強要、さらには入れ墨調査、政治活動の自由に対する干渉など ② また労働組合については、組合事務所の取り上げ、団交事項…

「みつわ通信」の命名の由来

「みつわ」は、「三都和」村の呼び名で1955年(昭和30年)、市町村合併によって消滅した私の生まれ故郷の村の名前です。したがって、「みつわ」は、今は、私の記憶のなかで生き延びているだけです。 「三都和」村は、1889年(明治22年)、三つの…