「みつわ通信」の命名の由来

「みつわ」は、「三都和」村の呼び名で1955年(昭和30年)、市町村合併によって消滅した私の生まれ故郷の村の名前です。したがって、「みつわ」は、今は、私の記憶のなかで生き延びているだけです。
「三都和」村は、1889年(明治22年)、三つの部落が和して行くことを誓い合って一つの村を作ったのです。
 戦後も、まだ山林が開拓されず、農薬が使われず、圃場整備が行われる前の田舎は、田圃を縫ってきれいな小川が流れていました。そこには、どじょうやふな、「つぶ」と呼ばれた一種のタニシが住んでいて、ザルですくうことができました、梅雨時などに大雨で田圃や小川が氾濫すると、田圃で養殖されていた鯉が流れ出て時に大漁になることもありました。
 また、山には、背の高い松や雑木が繁り、そこでは「ばやん」、あるいは「ばあやん」(私の小さな頃、田舎の方言で祖母のことです)と一緒に、薪にするために松葉をさらって持ち帰ったものです。山では、「りこぼう」(よく採れたきのこの一種です)やしめじなどのきのこを探すのも大きな楽しみでした。私は、松の根元で松茸を見つけてばやんに褒められた記憶が鮮明に残っています。
 その田舎も今は荒れ、里山の面影はありません。また何十年、何百年も経ったら昔を取り戻すことができるでしょうか。

 「みつわ」は、私のそんな郷愁にちなんだ命名です。
 「素粒子」などというタイトルも考えたのですが、あるいはまた変更するかもしれません。
「みつわ通信」は、私の居場所です。私の存在のあかしとして発信したいと思います。

 私の「みつわ通信」が、なつかしい友人のみなさんに愛されるように念じています。
 
 まずはご挨拶とします。                  2012/7/14  YK